2016/03/07 Category : 舞台備品 舞台のピアノの移動、ピアノの扱い方 ピアノの持ち込み、というパターンはまずありません。ピアノはだいたい会館のピアノを使う事になると思いますが、今回はピアノの扱い方。基本的にピアノには会館の人間以外触ってはいけません。しかし、現実的にピアノの移動などお手伝いしていただかないとできない場合があります。ではどうするのか。このへんのルールは会館などの施設によって違います。このブログで書いてあることは全てそうですが、全国共通ルールというのはありません。あくまで基本的に、ということを覚えておいてください。つまり、ピアノは会館の備品なので、必ず会館の人間に許可を取る、ということです。ピアノを使う場合、調律師さんがいる場合がほとんどですが、いない場合も結構あります。特に気をつけたいのが、調律師さんがいない場合。学校の行事や発表会的な催しでピアノを使うことも多いかと思いますが、これが酷い。勝手にさわる、勝手に動かす。やりたい放題。会館にあるピアノを学校のピアノと一緒に考えてもらっては困ります。学校の先生はキモに命じてほしい。ピアノを動かす場合、かならず会館の人間に許可をとってください。どこの会館も会館の舞台担当の人間が動かすと思います。そのとき、1人、ないし2人手伝ってください、などと言って3人ぐらいで動かすことになるかと思います。ピアノを動かす場合、なるべく3人でピアノの足の場所にそれぞれつきます。自分が担当する足の部分は何が有ってもぶつけてはいけません。調律師さんがいるときには調律師さんが仕切ってくれる場合もあります。会館の人間、調律師、お手伝いさんで動かします。ちなみに、動かしたあと、ピアノの車輪は放射状に開きます。鍵盤側は外向きにハの字に逆側は外向きに。力を均等に外側に分散させるためです。車輪がバラバラだと、ピアノの音が変わります。良い音、悪い音は好みなのでどちらが良いとはいいませんが、ボディーがゆがむので、微妙ではありますが確実に調律は狂います。本番中の転換など演出によって時間が無い場合などは諦めることもありますが、、さて、この辺からピアノに関するルールは会館によって異なりますが、ピアノの蓋を外す場合は調律師が立ち会う場合に限ります。調律師さんにはとくに免許などありませんので、協会に所属しているかどうかなど決まりはありません。余談になりますが、外人のピアニストが連れてくる調律師さんとか、某宗教団体の調律さんとか、腕は問題ないのでしょうが、自称調律師さんもいるわけです。つまり、調律師として責任がとれる方、ということですね。調律師としてピアノの調律をする場合は事務室の受付にある提出用紙やノートに記名する場所がほとんどと思います。業界では宿帳なんて呼んでいますが、そこに調律するピッチなどを記入します。ピアノの蓋の開閉する場合、調律師さんが立会いで本番中もいてくれる場合は調律師さんにお願いするのが良いです。ピアノの譜面台の出しハケもお願いしちゃいましょう。調律師さんが立ち会わない場合、会館の人間がやります。会館によっては主催者さんにお願いする場合もあるでしょうが、その場合、責任を持って慎重にお願いします。ピアノの音をPA(音響で拡声)する場合、業者で入る音響屋さんはマイキング(マイクの設置場所、向き)を一応相談してください。一番スタンダードなのはスタンドのブームをぐいっと蓋の中に突っ込んでハンマーあたりの中央にもっていったり、ホールあたりを狙う場合が多いですが、会館によっては蓋の中に入るのさえNGの場合があります。このへんは、会館のルールなので従いましょう。こういう厳しいルールは過去に問題が発生した場合に追加になっているルールだったりします。昔やらかしたアホ音響を恨みましょう。^^;今回はピアノについて思いつくまま書きましたが、ピアノは舞台備品の中でも特に高価ですし、楽器というのはそれぞれ個性があり、後世に残しておきたい大切な財産です。会館の人間は、その財産の管理を任されているので、多少神経質にならざるを得ません。皆様、よろしくおねがいします。にほんブログ村音楽 ブログランキングへ PR